
重厚な旧日銀岡山支店正面 |
◆旧日本銀行岡山支店 (現ルネスホール、岡山市内山下)
旧日本銀行岡山支店は、大正10(1921)年1月に着工され、11年3月に完成した。延べ床面積は1851平方メートル、2階建て。設計者は、長野宇平治。日本銀行技師長や日本建築士会初代会長を務め、当時の銀行建築の第一人者である。施工は藤木工務店で創業した藤木正一が最初に請け負った工事という。
最大の特徴は、古典様式を模した重厚で格調高いファサード。正面中央に4本のエンタシス柱を配し、柱頭飾りには華麗なコリント様式が採用、街中において一際、存在感を放つ。外壁は、御影石を全面に張り込んだ仕上げで、腰部分には波状文様が一列に連続して彫りこまれている。鉄製の正面扉は1枚板を加工したもの。柱、柱頭、ペディメントなどは、携わった石職人がノミを使って原石から見事に形を彫りだしている。
同銀行は、昭和62年に役目を終えた後、岡山県が購入。県民から再利用について聞いた結果、平成17年、内部を改修し、芸術・文化のための多目的ホール・愛称「ルネスホール」として生まれ変わった。開館後は、コンサート会場として主に活用されているほか絵画展なども催されている。また、かつての文書保管庫は、喫茶室として市民に利用されている。
岡山市内において、昭和20年の空襲を免れた建築物として貴重であり、平成17年に国の登録有形文化財に指定された。
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コンサートなどに利用されるホール |

旧第一合同銀行倉敷支店外観 |
◆旧第一合同銀行倉敷支店 (現中国銀行倉敷本町出張所、倉敷市本町)
旧第一合同銀行倉敷支店として、大正11(1922)年に完成。設計は、当時、陸軍建築技師で大原家の建築顧問であった薬師寺主計(やくしじ・かずえ)。初代頭取の大原孫三郎から設計依頼された最初の建物。氏は以後、大原美術館や有隣荘など大原家関連の建築物の多くに携わっていく。施工は、孫三郎の信頼の厚かった藤木正一の藤木工務店。
構造は、鉄筋コンクリート、一部木造の2階建て。外観の特徴は、ドリス式といわれる列柱が、正面に6本、側面に4本配置されている。屋根は、銅板葺き(かつては天然スレート葺き)で前後に3つの半円形の出窓が設けられている。外壁は、御影石洗い出しで仕上げられ、腰壁は御影石張り。営業室は2階まで吹く抜けになっており、壁と天井は漆喰が用いられている。
1階の窓上部には半円形の美しいステンドグラス窓がはめ込まれ、異彩を放っている。このステンドグラスの作者は、当時関西で唯一生産技術を持っていた木内真太郎(後、玲光社設立)の手になる。薬師寺の建築の多くにステンドグラスの採用が見られる。外観、内部ともに保存状態がよく、現在も現役の銀行として使用されている。平成10年、国の登録有形文化財。
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1 階 窓 の ス テ ン ド グ ラ ス |
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