TSC発TXN系列全国ネット特別番組


放送日時   出演
2007年3月17日(土)
午後4:00~5:15
語り:西田ひかる


解説
 小児医療分野で全国的にも先進的な成果を誇ってきた岡山―小児医療に力を注いでいる独立行政法人国立病院機構岡山医療センター(岡山市)を舞台に、完治が難しい病気と闘う子どもたちの日々に密着。家族同士で支え合う温かい交わりの中、病気に立ち向かい、ひたむきに生きる子どもたちを通してかけがえのない命の大切さを訴えるとともに、最前線で治療に当たる医師や看護師の献身的な取り組みを追い、厳しい現実に直面している小児医療のあり方を考える。


内容
 岡山市中心部から北へ約10km、閑静な環境に恵まれた地にある独立行政法人国立病院機構岡山医療センター。かつて新生児医療の礎を築き、晩年は母乳保育運動に打ち込んだ故山内逸郎名誉院長以来の小児医療の伝統を受け継ぐ。同センターには病気やつらい治療に負けず、懸命に頑張る子どもたちがいる。
  12万人に1人というフェニールアラニン血症と闘っている9歳の兄と6歳の妹。たんぱく質をカットした食品をとり、特殊なミルクを飲むなどし、フェニールアラニンを除去し続けなければ脳に障害を起こすという。食べたい!食べたい!と言うが、好きな物を食べることができない子どもに親が下した決断とは?
 小児がんの一つである神経芽細胞腫におかされている男児(3歳)。感染による死の危険性を防ぐため、外界から隔離された“クリーンルーム”という病室の中で抗がん剤治療を続けている。脱毛や吐き気など体中の臓器に負担がかかるという化学療法に、大好物が届けられても口にできないこともある。次の段階のきつい治療へと進む前、容体を見ながら一時退院を許可され、つかの間の楽しい家族のだんらんを過ごす。
 病院に通ってきたムコ多糖症の男児(5歳)。低身長や骨の変形など全身にさまざまな異常が
起きる進行性の病気だが、身長測定で「伸びたー」と明るく、元気に振る舞う姿に、周囲もなごむ。
 医療スタッフも懸命に立ち向かう。小児病棟で経験がまだ1年に満たない新人看護師(23歳)。人工呼吸器の扱いや沐(もく)浴など、慣れない手際に先輩看護師から叱(しっ)責が飛ぶ。2部屋6人の子どもの世話を任されると、薬の投与や配膳(ぜん)に追われる中、途中で緊急入院患者の部屋の用意が入るなど、昼食を食べる間もなく、右往左往。深夜勤務では赤ちゃんの排泄(せつ)物の検量や点滴の手際で怒られたり、救急車でやってきた5歳児の対応に追われたりし、朝を迎える。
 最新鋭のシステムで24時間、看護・モニターチェックしている新生児センターで働く看護師(34歳)。29歳のときに一大決心をしてこの職場に入り、センター勤務は2年目。ある日は準夜勤で、夕方に引き継ぎを詳しく受けた後、新生児の水分を取った量と出た量の計算やミルクやりなどをひたすら繰り返す。夜9時には消灯するが、モニター音の「注意」などに対応しながら、深夜まで作業が続く。次の担当者に引き継いだ後は、ナースステーションでデータを打ち込む。深夜3時近くに勤務を終える。
 ほかの子どもたちと同じように、日常、ごく普通に遊んだり食べられたりすることができない病気と闘う子どもたち。苦しい治療の日々の中で、完治を祈る両親や病状を気遣う幼い兄や姉。全国的に小児科医の希望者が減少するなど、小児医療の現場は厳しい現実に直面しているが、医師や看護師の熱意や献身的な取り組みがあってこそ、小さな命は守られている。完治が難しい病気であっても、困難に立ち向かい、ひたむきに頑張る子どもたちや、医師、看護師の小児医療に取り組む姿はかけがえのない命の尊さを訴えかけてくる。