太陽光パネルの大量廃棄時代が迫る中、太陽光パネルの再生に取り組む新見市の新見ソーラーカンパニーと、産学官で組織するPVリボーン協会が9月15日、岡山市内で会見を開き、廃棄されたパネルから新しいパネルを作ることに成功したと発表しました。実用化を目指し、10月から実証実験を始めます。
太陽光発電は、2012年に国が固定価格買取制度を始めて以降、急速に導入が進んできました。
一方、屋外で雨風にさらされる太陽光パネルの寿命は25年から30年と言われており、2040年には国内でおよそ80万トンが廃棄される見込みです。
そこで課題となっているのが、その処分方法です。太陽光パネルはアルミフレームやガラス、太陽電池セルなどを板状に重ねてできていて、それらが封止材でがっちりと接着されているため、部品を再利用することが難しくなっています。
それに成功したのが新見ソーラーです。封止剤を600度以上の過熱水蒸気で気化させることにより、廃棄パネルから取り出した部品を使って再生パネルを作りました。将来的には部品を原材料にまで戻し、そこから製品を作ることを目指しています。
この日の会見で、10月から始める実証実験は、廃棄パネルの回収、分解、再生までの採算性を評価するということです。
太陽光パネルの廃棄は日本に限った問題ではなく、東南アジアなどからも問い合わせが入っているそうで、海外展開も視野に入れています。