香川県の特産品ながら漁獲量が激減しているイイダコ。その資源保護、回復に向けて県と地元漁協などは5月13日、雌のイイダコとその卵を瀬戸内海に放流しました。
香川県のイイダコは底引き網漁のほか、手軽に釣れることなどからその漁獲量はおよそ20年前の100分の1にまで激減していて、去年の県内の漁獲量は2・1トンにとどまっています。
県や高松市の庵治漁協などは数年前から、その保護活動をスタート。今年も産卵前のメスと貝殻を水槽の中で育てて、貝殻に卵を産み付けさせた「産卵床」を用意しました。
また、今年はヤシ殻のネットにカキ殻を詰めたシェルターも準備。卵からかえったイイダコの“隠れ家”にしてもらい、生存率のアップにつなげます。
この日は、漁協の組合員らが庵治町の沖合まで漁船を出し、43個の産卵床とシェルターを一緒に放流しました。一つの産卵床当たり250匹ほどのふ化を想定しているということです。
庵治漁協では今回の放流の追跡調査を実施。県は水産試験場での養殖研究を進めるとともに、個人の釣り客に対してもイイダコ釣りをする期間を9月から10月中旬に限定するよう求める予定です。