現在のミャンマー=ビルマ建国の父として知られるアウン・サン将軍所有の日本刀が、刀剣の里・瀬戸内市長船町で修復されることになりました。
修復される日本刀は刃渡り69.1センチで、錆がかなり付いていて劣化が目立ちます。アウン・サン将軍はミャンマーのアウン・サン・スーチー国家顧問の父親で、刀の修復はスーチーさんから依頼を受けた日本財団が瀬戸内市の備前おさふね刀剣の里に話を持ちかけました。刀の引き渡し式が26日に行われ、日本財団の森祐次常務理事から修復を手掛ける研師の横山智傭さんに刀が託されました。この刀は刀匠として初めて人間国宝になった高橋貞次さんの作品です。日本財団によりますと、1941年に旧日本軍の飯田祥二郎中将がビルマ方面の司令官に就任した際の祝品で、アウン・サン将軍に渡った経緯は不明ですが、イギリスからのビルマ独立を支援するため、寄贈されたのではないかと推測されています。修復作業は備前おさふね刀剣の里の工房で11月1日から始まり、約1年かけて刀身を研ぎ錆を取り除くほか、鞘などを新たに作り直すことにしています。