染め物や織物を手がける作家の優れた作品を集めた公募展「日本伝統工芸染織展」が5月14日、岡山市の天満屋岡山店で始まりました。5月19日まで開かれます。
日本工芸会などが染織技術の保護と育成を目的に開いているもので、人間国宝の作品をはじめ受賞作8点を含む入選作合わせて73点が展示されています。
淡いグラデーションの繊細なデザインが美しい作品は、文部科学大臣賞を受賞した平山八重子さんの「渚」です。繰り返し打ち寄せる小さな波のきらめき。そんな浜辺に身を置くと心も穏やかに希望が湧いてきます。確かな技術で絹糸や天然染料の持つ魅力を存分に引き出しています。
岡山県から12年ぶりに受賞した和気町出身・藤原由妃さんの作品「ときのは」は、MOA美術館賞に輝きました。階段状の斬新な曲線模様は、トキが羽ばたく姿から着想を得ました。インド茜などを使った草木染めでトキ色などの色彩を表現しています。