倉敷市の大原美術館が所蔵する名画、エル・グレコの「受胎告知」の修復作業が、およそ60年ぶりに7月14日から始まることになりました。
この日、美術館を運営する公益財団法人・大原芸術財団が発表したものです。
「受胎告知」はイタリアやスペインで活躍したエル・グレコが1600年前後に描いた宗教画で、聖母マリアが大天使ガブリエルからイエス・キリストを身ごもったことを告げられる、聖書のワンシーンを表現しています。
14日から始まる修復作業は一般社団法人クラレ財団の助成を得て、スペインのプラド美術館からエル・グレコの絵画の修復経験のある専門家を招き、8月9日まで行われる予定です。
作業では鮮やかな色彩を取り戻すため、汚れを落とすほか、絵の下の部分に描かれた白い布など後世、複数の人が手を加えたとみられる部分を取り除くことにしています。
現在の一般公開は7月6日までで、再展示は9月以降の予定です。