おかあさんとおとうさんの絵日記~失語症 言葉の糸をつむぐもの~

ドキュメンタリー作品、配信中!

  


  

皆さんに届けたいメッセージ


砂田真弓さん

 話そうとしても言葉にならず、伝えたいのに伝わらない。失語症になって、もどかしい日々が続きました。2年がたった頃、絵日記を始めました。はじめは1ページ書くのも四苦八苦。おとうさんに送り仮名や助詞などを直されてばかりなので、本当は書くのが嫌でした。でも「継続は力なり」の信念で書き続け、いろんな人と出会う中で、夢が生まれました。
 番組を通して、失語症への理解が深まるとうれしいです。

    

 砂田さんに初めて会った時、ニコニコ笑って絵日記を見せてくれました。「これ、砂田さんが書いたんですか?」と尋ねると、またまたニコニコ笑ってこっくりうなずきました。マス目いっぱいに大きく書かれた一つ一つの文字には思いが詰まっていて、短い文章の向こうに情景がくっきり浮かびます。それは力強いメッセージでした。どれだけの年月を費やしてここまでたどり着いたんだろうと、胸がいっぱいになったことを覚えています。

 しばらくして砂田さんから「絵本の朗読をしたいので、オンラインで教えてほしい」と連絡が来ました。教材は何にしようか。せっかくなら、砂田さんが心に抱く思い、言いたくてもことばが迷子になって言えなかったことを童話にしてみてはどうだろうか。伝える喜びも感じられるに違いありません。時間をかけてお話を聞き、砂田さんが一生懸命捜し出したことばのひとひらひとひらを紡ぎました。そうしてできあがったのが童話「おかあさんとおとうさんの絵日記」です。

 

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