瀬戸内の島々をアートでつなぐ瀬戸内国際芸術祭。春会期は5月18日で閉幕しますが、島への玄関口にもなった玉野市では、うれしい変化が現れているようです。
玉野市は芸術祭が始まった2010年から参加していますが、初回はオブザーバーでの参加で、作品は港のオブジェ「宇野のチヌ」だけでした。その後、展示作品は港周辺に数点増えることはありましたが、観光客がじっくりと足を止めてくれることはありませんでした。
しかし、今回は違います。港や駅から歩いて5分ほど、戦前からある「築港商店街」では、市民が「人通りが多くなっている。全然違う。嬉しい」などと歓迎する声が。
うれしい変化の背景には作品配置の工夫があります。今回は玉野市の要望で、新作3点を商店街周辺の空き家に設置しました。宇野港では会期中、小豆島や直島など島の会場と船が1日35往復運航されていますが、島での鑑賞を終えた人たちにも足を運んでもらえるよう展示時間を午後7時までにしたことも回遊性を生んでいる理由だと分析しています。
夏会期には玉野競輪場近くや宇高連絡船の遺構付近などに2作品が追加され、さらなるにぎわいが期待されています。
瀬戸芸・夏会期は8月5日に始まります。