番組審議会

第185回放送番組審議会議事録

開催日時 2004年2月23日(月)14:30~15:45

議事の概要

☆ 2004年2月6日(金)23:00~23:55放送
☆『ワールド・ビジネスサテライト』

上記について審議、また事務局より視聴率および視聴者対応の報告を行った。

主な意見

◆ いつもの放送よりも面白かった。石井知事のような堅い方だけですと見ようかどうか迷うのですが、星野前監督をからめると非常に面白い番組に仕上がっていたように思います。岡山・香川の特徴のある企業の選び方も良かったし、その企業を全国に売り出す事が出来た事も非常に良かったです。林原はもちろんナカシマプロペラという企業も面白く元気のある企業ですね。元気のある姿を見ているとこちらまで元気になったような気がします。この番組を見て元気を与えられた経営者の方もたくさんいらっしゃることでしょう。また、インタビューのシーンはそのインタビューの中のどの部分を使うのか、記者の見識が問われるものですが、この番組では非常に良い言葉を幾つも引き出していたように思います。林原の社長の「人のやっていないことをやるんだ」、「花が咲いたとき、第一人者になれるんだ」や星野前監督の「迷ったときには前に出ろ」などです。言葉の引き出し方が非常に上手かったです。また、背後にあった棟方志功の屏風の言葉も素晴らしかったですし、その言葉の説明をしていただけたのも良いアイデアでしたね。「トレタマ」のコーナーも地元から選んでおり、とにかく面白かったです。

◆ 岡山・香川の特色のある企業を紹介し、全国に発信することは非常に良いことだと思いました。しかしこの番組は従来経済の番組で、起業の方法や社長の考え方キャラクター紹介が中心だったように思い、何故星野前監督が出演されているのかが分りませんでした。よく見てみると、リーダーとなる人の素質や人間性とからめてあり、ご出演の意図も分りましたし、なにより「オンリーワン企業」は結果であり、それを作りあげるのは人的資源に他ならないという事がよく分りました。番組全体に芯が通っていて非常に良かったのですが、新見とさわらの話は余計だったように思います。もう少し人や物とからめて紹介すれば変わっていたかもしれません。最後に、香川の製薬会社の社長さんが海を見つめながら「ここから外国へつながっている」と言った言葉が印象に残りました。東京や大阪を経由するのではなく、地方から直接世界につながっているんだ、という考え方が素晴らしかったですし、まさにオンリーワン企業だと思いました。

◆ 全国の人々に対して大変なPRになると同時に、地元の人々に対して「全国に誇れる企業がこんなにもあるんだ」ということを再認識してもらえる良い番組だったように思います。「せとうちオンリーワン戦略」という着眼点が非常に良かったです。取材の対象もまさしく「オンリーワン」に相応しい企業で、ナカシマプロペラは世界に誇れる中堅企業ですし、林原は「人と違うテーマを持って、花が咲いたら第一人者になれる」を、尾崎商事は「変化」をキーワードに掲げている面白い企業でした。また、岡山と世界は直結しているという考えを持っている企業が地元にあるというのは心強い気もします。番組の途中で「綿の絵」を映されていましたが、「綿」は岡山の様々な企業のルーツとなるものですから、岡山の企業を紹介する上では欠かせないような気がします。また、欲を出せば岡山にはもっと他にも良い企業はありますので、たくさん紹介して欲しかったです。ワールド・ビジネスサテライトを地方から放送するのは今回で最後になるとお聞きしましたが、なんとなくもったいないような気がします。ビジネスのヒントは東京にあるものばかりではないはずですから、今後もこのような地方からの発信を続けて行って欲しいものです。

◆ 岡山を代表する企業の「ベネッセ」が含まれていなかったことが残念でしたが、テンポも取材の材料となる企業の選択も非常に良かったです。中島アナもそつなくできていて良かったです。ただタイトルが「ライブ・イン・倉敷」ではなくやはり「ライブ・イン・岡山」とするべきだったのではないでしょうか。全国の人々は岡山と倉敷の関係を理解できていないように思います。また、折角アイビースクエアから中継しているのですから、その綺麗な全景を映すなり、他のもう少しお洒落なところを映して欲しかったようにも思います。それから情報番組ではいつも思うのですが、地名を紹介するだけでなくその位置関係を簡単に地図で示して欲しいですね。新見の雪の映像を見て「岡山は雪国だ」と勘違いする視聴者もいるのではないでしょうか。また情報ハイウェイの紹介の時に軽く「IPV6」について触れていましたが、「IPV6」は世界的な課題であり、世界に先駆けて岡山が開発している事は凄いことなのですから、もっと知事にその構想について語っていただいてもインパクトがあったように思います。また、一つ気になったのですが、小谷キャスターが「CEO」としきりに言っていましたが、あの言葉は流行ってはいるけど日本ではいまいち浸透していないように思います。「社長さん」の方が好感を持てるように思います。

◆ やはり全国放送仕立てですね。この番組は、もちろんビジネスニュースの番組ですが、地方を扱うということで、企業等の紹介だけでなく食べ物や場所の説明もあり、紹介しながら楽しむという要素がよく表れており、いつもの放送よりも柔らかく、また目新しくも感じました。全国の人にも通用するでしょうし、地元の人が見ても地元の良さを再認識できる番組だったように思います。しかし、「人的資源の育成」ということで星野前監督がご出演されていたとは思うのですが、星野前監督がさわらの推進顧問をされているからこそ「さわら」が紹介されたように思いますし、石井知事がご出演されているからこそ新見の取り組みが紹介されていたように思います。「話題があって人がいる」のでは無く「人がいるからこそその話題を持ってきた」という印象を受けました。しかし児島の繊維の話題は単なるジーンズや制服の話だけでなく、時代と共にファッション性を帯びながら東京という場で花開いた姿が映されていて非常に良かったです。その反面、ベネッセの話題は駆け足で過ぎて行き勿体なかったように思います。全体を通して、ニュース性と楽しめるという二つの要素がよく出ていて良かったです。

◆ いつも見ているローカル局制作の番組とは何かが違い、やはりプロが作っているなという印象を受けました。タイトルに「イン・倉敷」と付いていましたが、確かに倉敷から発信されてはいたようですが、ビジネスという意味においては特に倉敷にこだわっていなかったようですね。倉敷出身の私にとりましては、倉敷を中心に扱っていただけたことは非常に嬉しいのですが、めったにない地方発信の番組ですから、岡山が中心でなかった事が惜しい気もします。また、今年は棟方志功生誕100周年の記念行事が倉敷の街全体を舞台に繰り広げられましたので、屏風を飾っていただけたことが嬉しかったです。しかし、倉敷派としましては、あれが出てない、これも出てないとつい欲深くなってしまいました。この放送のおかげで、全国の人々の関心を集めたのですから、その関心を切らさないような展開に持ち込みたいものですし、その努力を期待します。

◆ 私がまず思ったことは、今何故「星野前監督」なのか、ということです。阪神の優勝直後、あるいは辞任直後だったら話題性も有り納得できますが、今の時点で起用する意図が分りませんでした。内容的にもあまり星野前監督は合ってなく、なんとなく浮いていたように思います。しかし彼は、岡山の良いところを聞かれて、即座に「瀬戸内海と川」と答えていました。「瀬戸内海」は誰でも言えることですが、「川」と言えるところが県民として立派だな、と感じました。また、オンリーワンというキーワードで幾つかの企業が紹介されていましたが、欲を言うときりがありませんよね。現段階では地元を代表する企業が紹介されており、良かったと思います。
以上