運送業界が抱える人手不足を解消しようと、従業員の働きやすさを重視した物流センターが岡山県備前市に完成しました。災害時には救援物資を被災地へ送る拠点としての機能も併せ持っています。
運送業などを営む岡山スイキュウが備前市内に新設した物流センターです。2021年11月12日、竣工式が開かれ、関係者が完成を祝いました。
センターの敷地面積はおよそ2万6000平方メートルで、4棟の倉庫を備えています。このセンターは運送業界の課題である人手不足の解消も狙いに設計されました。屋外には13メートルのひさしがせり出し、雨や日差しを遮ります。衝突事故を防ぐために、柱は1本もありません。各倉庫には大型の冷暖房設備が設けられ、ファンで空気を循環させることで一定の気温を保っています。岡山スイキュウの片山順二社長は「作業をする皆さん方が快適に働ける、そういった環境を提供していく。これが、これから私たちが拠点開発をしていく上での基本的なプランになっていく」との考えを示しました。
また、センター近くには高速道路のインターチェンジがあり、関西や四国へのアクセスも抜群。その立地を生かして災害時、各地から運び込まれた救援物資を被災地へと送る拠点施設としても期待されています。備前市の吉村武司市長は「災害はいつどこで起こるか分からない。自治体と企業が連携して市民の命を守ることができる、こういった施設は大変ありがたい」と話しています。
センターは2022年2月から本格稼働する予定です。